情報バックアップにおける有用性と非効率性のジレンマについて


 Picasaのエラーが続いている。Googleによるとメンテナンス中らしいが文化の違いなのか、それとも不都合な事実があるのか、説明がとても不十分だ。PCに全てのデータのバックアップはあるものの、こういうときにネット上に保管してある自分のファイルが維持される保障はどこにもない。SaaSの使用開始時に障害時に関する使用規約に同意させればいいはずだがそれもない。いったいクラウド上の俺たちのデータは誰が保障しているのか、どこの法律で守られるのか。そのうちクラウド保険なんてのが出るんじゃないだろうか。
 やはりバックアップは(今のところ)必要だと認識。これは①安全保障の観点からと、もうひとつは②利便性について。この世界は未だにネット接続環境が完全ではない。インターネットで直接つながっていないエリアはまだまだ多い。もしそのエリアにいるならば、直接情報にアクセスできなければならないが、ネット上だけに保管してしまうと間接的に、つまり一箇所(ネットに接続できるところ)を経由して情報にアクセスしなければならない。そしてこういったメンテナンスや障害により、いつも世界とつながっている場所がしばしばそうでなくなる。
 一方で、バックアップを取るということは情報量が倍になるということだ。同じ情報を別の場所に保存することがバックアップの意義だから、当然この世界に存在する情報量が倍になる。更にバックアップの量は多いほど、そしてそれらの場所に関連性が低いほど信頼性が高まるから、情報の持ち主によっては3倍、4倍となることもあるだろう。そしてクラウド時代では、手元とネット上のどちらをバックアップとし、どちらをメインの情報とするのか。メインの情報の方が柔軟に使用でき、スマートな形態であるべきで、逆にバックアップの方は操作性よりも完全な状態であることが優先される。パブリックな場所での巨大データセンター構築に走るクラウド企業はその辺をどう考えているのだろうか。データセンターに集積されたユーザーの情報は世界中の持ち主のもとに分散されて然るべきなのか。クラウドは質(使い方)の面で革命を起こしつつあるが、全世界的に見た情報の量の面ではスマートになっていない(むしろどんどんデータセンターは増え、各手元の情報量は変わらない)のではないか?研究を急ぐ。

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